WTO 逆転敗訴。悲しいことである。日本は福島原発以降、国内でも放射能に汚染された地域の農水産物は流通が難しいのである。これを有ろう事か輸出している。更に輸入規制している国を提訴するとは、なんとも恥ずかしいことである。放射能汚染してしまった以上、輸出は自粛すべきである。いくら100ベクレル以下は安全だと言っても嫌な人は嫌なのである。国内で流通すべきである。ただ、子どもたちに食べさせるのは避けたい。学校給食の皆さんよろしくおねがいします。
新聞、テレビ等のコメントも目を疑うようなものばかりです。
日本人よ日本人であることを忘れてしまったのでしょうか。政府も日本の恥じにならぬようお願いします。ますます日本の価値が下がっていきます。原発事故そのものが日本の恥じですから・・・。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43679950S9A410C1EA1000/
日本経済新聞
韓国による福島など8県産の水産物輸入禁止措置をめぐる世界貿易機関(WTO)判決は日本にとって事実上の「敗訴」となった。2014年に判決が下った調査捕鯨に続く失敗だ。国際法を盾に突破口を開く外交戦略は見直しを迫られる。
WTOの上級委員会の判決は、日本産食品の安全性を認めた一審の判断を変えていない。韓国が日本に対する措置を強化する際に周知義務を果たさなかった点でもWTO違反を認めている。
しかし、輸入規制措置そのものがWTO違反だという肝心の主張が受け入れられなかった。一審は韓国の措置が日本を不公正に差別しており「過度に貿易制限的」だとした。上級委はその判断を取り消した。
上級委が一審の判決を引き継げば韓国は輸入禁止措置の撤廃を迫られ、応じなければ日本は関税引き上げなどで対抗できた。敗訴により日本はWTOという国際法に基づく交渉カードを失った。
■捕鯨に続き主張通らず
河野太郎外相は12日の衆院外務委員会で「科学的な安全性はクリアしており、規制撤廃を引き続き韓国との2国間協議で求める」と述べた。同日、韓国の李洙勲(イ・スフン)駐日大使と面会し、規制撤廃を求めた。
韓国政府は現行の輸入禁止措置を維持すると表明した。WTOのお墨つきを得たとして協議要請に応じない可能性が高い。裁判で解決を図ったことが裏目に出た。
日本政府はWTOで一審通りに勝訴すれば、韓国に他の懸案でも国際法に基づく解決を迫るシナリオを描いた。元徴用工問題では国際司法裁判所(ICJ)への提訴も選択肢だが、慎重に検討せざるをえない。
日本は14年、南極海での調査捕鯨が条約違反だとしてオーストラリアが中止を求めた訴訟でも敗訴している。ICJで日本は科学的データを使って違反ではないと主張したが、判決は「科学的研究を逸脱している」と退けた。それが18年の国際捕鯨委員会(IWC)脱退表明につながる。
WTOで一審の判決が上級委で覆る例はある。政府関係者は「食品の安全性に関するデータが非常にしっかりしていて自信を持っていた」と語る。一審が日本の意見とほぼ同じだったことが誤算を招いた。
■風評被害の対策が課題に
日本の逆転敗訴となった世界貿易機関(WTO)上級委員会の判断は、日本産食品の輸出に影を落とす。原発事故に伴う各国の輸入規制が足元で徐々に撤廃されてきたタイミングだけに韓国の勝訴は各国の動きに水を差す。風評被害の払拭は大きな課題となる。
水産物輸入禁止措置を巡りWTOで韓国勝訴の判断が出たことを喜ぶ市民団体(12日、ソウル)=共同
原発事故後、54カ国・地域で日本産食品の輸入規制が導入された。現在も23の国・地域で規制が残る。ただ昨年7月に香港で一部の輸入停止が解除され、同11月には中国で新潟産のコメが輸入解禁になるなど緩和の動きが広がりつつある。
日本からの農林水産物・食品の輸出額は2018年まで6年連続で増加した。政府は19年に農林水産物・食品の輸出を1兆円に増やす目標を掲げる。WTOで勝訴すれば、それをテコにアジア各国への輸出規制緩和を働きかけようとしていた。
WTOの判断は日本産食品の安全性を否定していない。自民党は12日、国際的な風評被害を防ぐため、日本産食品の安全性を広く世界に発信するようWTOに迫るべきだとの声明を発表した。
▼WTOの紛争解決手続き 世界貿易機関(WTO)協定違反の一方的な制裁措置の発動を防ぐための制度。一審の紛争処理小委員会(パネル)、上訴審の上級委員会の二審制をとる。当事者間での協議で解決できなかった場合に小委員会に付託する。上級委での判断後、紛争解決機関が30日以内に採択し、効力が発生する。
被申し立て国が妥当な期間内に上級委の判断に従わない場合、申し立て国は一定の範囲で関税引き上げなどの対抗措置を講じることができる
台湾、日本食品規制継続の住民投票成立の見通し – 産経ニュース

【台北=田中靖人】台湾で24日に統一地方選と同時に実施された「住民投票」10件のうち、福島など5県産日本食品の輸入規制の継続を求める住民投票が成立する見通しとなった。
中央選挙委員会が24日午後10時50分(日本時間同11時50分)現在として公表した集計で、同意が約546万票、不同意が約158万票となった。同意票が不同意票を大きく上回り、投票成立条件である有権者の4分の1(約493万票)を超えた。住民投票が成立すると、行政機関は原則として約2年間、投票案に反する政策を実施できない。
「日本産食品の規制はいま」(くらし 解説) | くらし 解説 | 解説アーカイブス …
東京電力福島第一原発事故から7年以上が経ちますが、台湾は先日、事故以降続けている、日本産食品の輸入規制を、継続することになりました。日本産食品の海外での規制はどうなっているのか、合瀬宏毅(おおせひろき)解説委員です。
Q.事故から7年以上続く今も、規制が続いていると言うことですか
そうです。先日規制の継続を決めた台湾は、2011年の原発事故以降、福島や茨城、栃木など5つの県の食品を輸入禁止とし、3年前からは、残る42都道府県の全食品に産地証明を義務付けるなど、規制を強化しています。
もともとこの規制強化、当時台湾内で食の安全問題への関心の高まりや、表示偽装問題などを背景に行われたもので、日本政府は科学的根拠に乏しいとして、その見直しを強く求めていた。
ただ、台湾内での放射性物質への不安は強く、そこで今回、日本産食品の規制についての賛否を住民投票で決めることにした。
Q.投票の結果、継続が選ばれたと言うことですか?
はい。野党国民党が提案した、原発事故から続く、日本産食品の輸入規制の継続について、賛成が779万票余り、反対が223万票と、賛成が、反対の3倍以上と大きく上回り、有権者の25%以上という条件を満たしたため成立しました。
台湾当局としては、今回の結果を尊重しなければならず、日本が求めていた輸入規制の見直しは当面、困難となりました。
Q.日本としては残念ですね。
原発事故から7年以上が経ち、日本国内では、被災地の農水産物や食品に対する不安の声は、減ってきていていました。それだけに農家は「美味しい野菜などを作っているのに残念だ」とか「厳しい検査体制などをもっと海外に、アピールすべきだ」などの声が上がっている。
Q.海外ではまだ、日本産食品に対する規制が多いのでしょうか?
もちろん、日本産食品への輸入規制、年々少なくなってはいる。
事故当時は、世界で54の国と地域が、日本産食品に対して輸入禁止などの規制を行っていたのだが、現在までにカナダやオーストラリアなど、29の国と地域が規制を撤廃しました。現在、一部の地域からの輸入を禁止したり、検査証明書の添付を義務付けたりしている国と地域は、25にまで減っています。
ただ、中国や韓国などの近隣諸国は相変わらず、厳しい対応のままです。
Q.どう厳しいのですか?
例えば中国は、宮城や福島、新潟など10の都県の食品と、家畜のエサは全て輸入を禁止しています。そのうち新潟のコメについては先週、中国政府が輸入再開を発表しましたが、それ以外はこれまでのまま。他の地域からの野菜などにも厳しい条件を付け、事実上、日本からの輸出を許していません。
韓国も5年前、福島第一原発からの汚染水流出を理由に規制を強化し、青森など太平洋岸を中心に8つの県からの水産物全てについて輸入を禁止し、その他の食品についても、日本国内全てを対象に産地証明を求めています。
Q.厳しいですね。
このうち韓国については、規制の強化が、科学的根拠がないとして、日本は国際機関に訴え、WTO世界貿易機関は今年2月、韓国が行う輸入規制は「不当な差別で、必要以上に貿易を制限している」として、韓国にその是正を求めた。
ところが韓国はこれを不服として上訴し、状況は変わらずにいるということなのです。
Q.それにしても何故、海外で日本産食品への規制が強いのでしょうか?
政治的な問題だけでなく、韓国や中国などでは原発事故当時のイメージが抜けきっていないと指摘する専門家もいます。
これは、東京大学と福島大学とで去年2月、世界10カ国、地域の3000人を対象にした日本産食品に対するアンケートです。「積極的に日本産の食品は避けている」とする人の割合、アメリカやイギリスで20%台ですが、韓国は57%、中国では77%、台湾で54%と高くなっている。
Q.中国では77%に上っていますね。
高いですよね。そうした国と地域の人たちに、福島原発事故について聞いてみたところ、「いまだに福島原発からの放射性物質が大気中をかなり飛んでいる」と答えた人は、韓国で61%、中国で45%、台湾で54%に上る。
もちろん、今の日本、大気中に放射性物質が飛んでいるという状況にはありませんし、食品についても基準値を超える農林水産物や加工食品が流通しない仕組みとなっている。
Q.実際の検査、いまはどうなっているのか
原発事故後、放射性物質の検出が少なくなったことから、食品に関する検査は縮小されてはいます。
それでも全国17の都県については、国が過去に基準値を超えた山菜や野生鳥獣、それに水産物など、1キログラムあたり100ベクレルの基準を超えたものが市場に流通しないように厳しい検査を求め、高い濃度が出ているものについては、出荷制限がかけられています。
また、その他の都道府県でも、野菜や果物、畜産物などの一定数を自主的に検査して、汚染の広がりをチェックしている。その件数は合わせて、全国で年間30万件に上っている。
Q.基準を超えた食品は、あるのか?
去年1年間で、基準値をこえたのは、200件。割合にして0.07%で、ほとんどが、一般には出回らないイノシシなどの野生鳥獣の肉や野生の山菜でした。
この基準での規制が始まった2012年は、基準超えの件数が2400ほど、ありましたので、6年間で10分の1以下になっています。
こうしたこともあって、日本での放射性物質に関する関心、落ち着いては来ている。
Q.それなのに、どうして海外と国内と差が出るのか?
先ほどの国際アンケートを行った東京大学の関谷直也准教授は「各国の認識が、事故直後から改善されていない。検査体制や検査結果も含め、現在の状況を海外に向けて発信していく必要がある」としています。
実際に、日本では都道府県がモニタリング調査を行っていることを知っている割合は、韓国で16%、中国で24%、台湾で23%と低く、また、イノシシなど野生の動植物以外で、限界値以下を超えるものは「ほとんど無い」ことを知っている人は、韓国で11%、中国で27%、台湾で18%とこちらも低い。
Q.日本での状況がほとんど知られていないということでしょうか?
もちろん国としても、各国の言語でのパンプレットや動画を作って、いろいろなイベントで披露したり、メディアを被災地に呼んだりして、被災地の現状や、検査体制をアピールしてはいる。
しかしそうした取り組みも、先ほどのアンケートを見ると、あまり効果が上がっていないようです。
Q.今後どうすればいいのでしょうか?
日本政府内の中には、韓国のように、他の国や地域もWTOに訴えるべきだという強硬論もあります。しかし、日本政府が今やるべきは、そうした強硬策ではなく、これまでやってきた対策を検証し、今後の情報発信に生かす取り組みを進めて行くことが求められていると思います。
2018年12月06日 (木)
合瀬 宏毅 解説委員